今日は、長野県小諸市にある丸山珈琲小諸店を訪問してきました。なぜ小諸店に行ったのかというと、この小諸店は焙煎工場を併設しており要の店舗だからです。店の目の前は浅間山のパノラマが広がる開放的な場所、広い敷地に駐車場も十分なスペースが確保されています。
店に入るとまず目にするのが、大きなガラス貼り越しに見える2台の焙煎機。アメリカ製の最新鋭 完全熱風式焙煎機 Roring Smart Roaster社のスマートロースター 35kg釜と70kg釜。スマートロースターは珈琲豆に過度なダメージを与えずに、豆の芯にしっかり熱を与えて風味を発達させることができるというのが特徴のようです。写真を撮らせてもらいました。
焙煎機の形式の違いについて少し触れてみたいと思います。焙煎機は直火式・半熱風式・熱風式と大きくこの3タイプに分けられますが、焙煎人の狙う味によって何が良いかというのは異なってくるものと思います。以前にドトールコーヒーでは、熱風式焙煎機を導入したこともあるそうですが、求める味にならず結局、直火式に戻したという逸話もあります。焙煎人によって価値観はそれぞれですね。ちなみにウチは半熱風式です。
通常、直火式や半熱風式の焙煎機ですと回転ドラムで豆を攪拌させながら、ドラム直下の熱源により焙煎します。このときドラムも加熱されますが、このドラムからの伝導熱を考慮しながら焙煎を進めていきます。ドラムからの伝導熱を見誤ると豆の表面だけ焙煎が早く進み過ぎ、芯残りや表面焦げの原因になりえます。特に、予熱温度・投入温度・投入量・初期火力などの判断に伝導熱が大きく影響してきます。
一方、熱風式焙煎機の場合、熱源がドラム直下にあるわけではないので、直火式や半熱風式に比べ、ドラムから豆へ伝わる伝導熱が少なくなります。基本的にドラムの温度よりも熱風の温度の方が高く、豆に伝わる熱は熱風(対流熱)からが主となるので熱源はよりシンプルになるわけです。味は焦げ味が少なくスッキリ軽やかな傾向になります。
さて前置きはここまでにして、店舗に入ると吹き抜けの開放感溢れる空間が待ち受けてくれます。そこには試飲コーナー、豆売り場、ミルや抽出具、カップなどの器具が品良く並べられています。その奥にカフェスペースが広がっていて、私は一番奥の窓際の席に座りました。ほんとに空間を広々と使った贅沢なお店ですね。
オーダーしたのは「パナマ・ママ・カタ・ゲイシャ・フリーウォッシュト」「エチオピア・イルガチェフ・コカーナ」の2つ。フレンチプレスで運ばれてきました。なぜフレンチプレスで提供しているのかとスタッフに尋ねたところ、現場の責任者のような方がわざわざ来てくれて説明してくれました。「フレンチプレスで提供するのは豆本来の味や風味をより感じてもらうため。」との返答。
そしてさらに私が聞いてみたかったのは、フレンチプレスには約2杯分の量が入っていて、2杯目を注ぐまでプレスに豆が浸かったままの状態がしばらく続く訳で、その間に味の変化(悪影響)が出ないのかということ。それには「味の変化は若干はあるが、悪い味は出ない。」とのこと。すかざす私が「豆が良いから変な味も出ないのですね」と切り返すと、控えめに頷かれていました。
そして飲んでみました。フレンチプレス特有の甘味が出ています。フレンチプレスは構造上フィルターがステンレスメッシュで目が荒いために微粉をそのまま通します。故に抽出液に微粉が混じり濁りが出ますが甘味が出ます。
丸山珈琲流 豆の保存方法。こういうところも珈琲専門店によっても違ってきます。丸山珈琲では賞味期限は90日とし、3週間以内の保存の場合は冷蔵保存。3週間以上の場合は冷凍保存を薦めています。保存容器の指定などは無く、購入時のパッケージのままで保存とのことです。
丸山珈琲流フレンチプレスでの淹れ方。