あの屈辱の時から、半熱風から熱風式への焙煎機改造を考え続けた。※この記事は「うまいコーヒーに出会うことは、うれしい事でもあり、悔しいことでもある。」の続編です。
最新鋭の熱風式焙煎機の導入ということも選択肢にはあったが、今の焙煎機を改造することにより、半熱風の良いところを残しつつも、熱風的な焙煎ができる改造を思いついたのだ。
半熱風は構造上、豆を攪拌するドラムの直下にガスバーナーがありドラムごと豆を加熱する。ドラムから豆へと伝わる接触熱が多く、それが都合が良い時と、そうでない時がある。豆の温度が低い焙煎前半では積極的にドラム熱を使いたいが、逆に豆がある程度の温度に達している後半ではドラム熱が過剰でバーナーの火力を上げづらい。
前半ではドラム熱を使いたい。でも後半は使いたくない。そんなワガママな希望に応えられる改造があるのか・・?例えば、可動式で構造を変化させるような機能を持たせればそんな事も可能だろう。しかし改造が複雑で大掛かりだ。もっと単純なことで同様のことが行える方法は無いのか・・また前回の改造テストでは、火力のロスが多く改造前に比べて1.5倍の火力を必要としたが、もっと熱効率の良い方法はないのか?・・
焙煎機の一部を分解し、ボール紙で作ったダミーパーツを当て込む日々が続く・・改造は現物を触りながらが一番だ。現物を触っていると頭の中だけでは思いつかなかったアイディアや方法が浮かぶことがあるからだ。そして見つけた。やっと見つけた。単純な方法でドラム熱をコントロールできるやり方を。熱効率も前回より格段に良いはずだ。
ボール紙で作ったダミーのパーツと同様のものを金属を使ってこしらえた。焙煎機への固定は釜内部にところどころ出ているボルト類を利用しそこに固定。火入れし温度変化で支障が出ないかをテスト。大丈夫そうだ。実際に生豆を投入しテストロースト。前回の改造時より熱効率は上がっている。改造前の1.25倍程度の火力で同じ温度上昇が作れている。
さて、本当の課題はこれからだ。果たして美味しく焙煎できるのか。あの美味かったコーヒーに適う味を作れるのか。
つづく。「半熱風から熱風へ焙煎機改造。理想の味を求めて。」