2014 ローストマスターズチャンピオンシップ 3位入賞しました。

SCAJ 2014

2104年9月24~26日の3日間、東京ビックサイトにてスペシャルティコーヒーの日本最大のイベント「SCAJ 2014」が行われました。その中のイベントとして、スペシャルティコーヒーの焙煎技術を競う団体競技 Roast Masters Championship 2014 (ローストマスターズチャンピオンシップ)が行われ、MORIFUJI COFFEEが所属する関東Bチームが3位入賞しました。その時の模様をダイジェストで報告いたします。

東京ビックサイト

RMC(ローストマスターズチャンピオンシップ)が行われたのは、SCAJ最終日の9/26日。この日は秋晴れという言葉に相応しい快晴でした。参加選手はAM10:00にバックヤードに集合し進行の説明を受けました。その後は13:00の開会に向けての準備作業です。

ローストマスターズチャンピオンシップ2014-03 バックヤード

今回のRMCの審査は一般審査委員約300名の投票によって決まります。審査用に1カップ30ccを300カップ配れるように9Lのコーヒーを用意します。写真はバックヤードでの準備風景。慌しいやり取りの図。

ローストマスターズチャンピオンシップ2014-04 フレンチプレス

ローストマスターズチャンピオンシップ2014-05 フレンチプレス

我々関東Bチームはフレンチプレスでの抽出にて勝負に出ることにしました。フレンチプレスを使った理由は、大量抽出が可能であること、ドリップのばらつきが少ないということ、最大の理由は甘味を引き出しやすいという事でした。他のチームではネルドリップやステンレスフィルターを使ったところもありました。

ローストマスターズチャンピオンシップ2014-06-堀口俊英

いよいよ開会。ローストマスターズ委員会の開会の言葉に始まり。今回のRMCの課題豆のスポンサーであるHORIGUCHI COFFEE(堀口珈琲)の堀口俊英会長からの生豆の説明がありました。写真は同氏。

課題豆は「エチオピア・イルガチェフェ・コチェレ」いまやスペシャルティコーヒーの代名詞とも云われるエチオピア イルガチェフェはジャスミンやダージリンのような独特のフレーバーがあり圧倒的な人気を持っています。この豆の焙煎と抽出を各チームにて自由に考えプレゼンテーションするのが今大会です。

エチオピア・イルガチェフェは個人的にも大好きな豆で、MORIFUJI COFFEEでも看板商品として扱っている豆です。それ故に他の人がどのような考えを持って焙煎するのか非常に興味がありました。おそらく他の選手もそうでしょう・・より良いロースト(焙煎)を求め、追求したくてローストマスターズに参加してくるのだと思います。

いよいよ我々関東Bチームのプレゼンです。

ローストマスターズチャンピオンシップ2014-06-関東B

ローストマスターズチャンピオンシップ2014-07-関東B

ローストマスターズチャンピオンシップ2014-08-関東B

関東Bチームのメンバー紹介。
写真上段左 チバコーヒー 千葉公次さん
写真上段中 Cafe Dive 青木健太さん
写真上段右 コーヒーファクトリー 粕谷哲さん
写真下段左 MORIFUJI COFFEE 森藤友通 ← 私です。
写真下段中 丸山珈琲 釘宮志保さん
写真下段右 Woodberry Coffee Roaster 木原武蔵さん

ローストマスターズチャンピオンシップ2014-09-プレゼンテーション

プレゼンテーターの木原さん、粕谷さん。ハチミツレモンのような甘すっぱさにオレンジを垂らしたようなフレーバーを表現しました。

ローストマスターズチャンピオンシップ2014-10-審査

全チームのプレゼンテーションが終わり、一般審査員約300名によるテイスティングシーン。

ローストマスターズチャンピオンシップ2014-11-入賞

結果発表にて3位入賞を喜ぶ関東Bチームと私。

ローストマスターズチャンピオンシップ2014-12-入賞

SCAJ副会長の丸山健太郎氏より表彰状を頂きました。

ローストマスターズチャンピオンシップ 2014 結果

No.1 関東Aチーム
No.2 関西チーム
No.3 関東Bチーム

総評として、各チーム同じエチオピア・イルガチェフェを使いながらも、こうもアプローチも味も違うのかと驚かされました。

特徴のあるチームを挙げてみると、まずは中部チームと九州チーム。抽出にネルドリップを使ってきました。最近のスペシャルティコーヒーシーンではネルドリップをあまり見かけなくなってきましたが・・ここに来て2チームが挑戦。ネルドリップはゆっくりと時間をかけた抽出が可能で、それによって甘味やコッテリとしたボディー感を出すことができます。またネルで濾すために微粉が混入しないクリーンな液体を抽出する事ができます。

中部チームは2ハゼ手前程度のロースト(ハイロースト ~ シティーロースト)で、スペシャルティコーヒーの競技としては比較的深めかと思いますが、審査が一般審査員であることを考えたローストだと思われます。バックヤードで試飲させて頂いて一言「やばい」と思いましたね・・これば口当たりが優しくアフターに心地よい余韻が残ります。

九州チームは特注の大型ネルドリップにてゆっくり時間をかけて抽出、それをアイスコーヒーとして提供。さらにアフタードリンクとしてスパークリングウォーターを提供してきました。このアクロバティックな提供方法には度肝を抜かれました。試飲させて頂いて、まるでボルドーワインのような落ち着きのあるボディーとフルーティーなアシティティーが共存しています。アフタードリンクのスパークリングウォーターを口に含むと、何とそれがスパークリングワインに変わりました。これはすごい!やられたなぁ~と・・

関西チームは、ローストは1ハゼの途中(シナモンロースト)あたりの浅目、かつ比較的短時間のローストだと思われ、華やかなアシディティーが特徴でした。それを生かす抽出としてステンレスメッシュのコレスを使ってきました。レモン・オレンジ・グレープフルーツを思わせる明るい酸がなによりも特徴。ある意味、中部チームと対照的なアプローチで、そんなところもRMCの面白さですね。

その他のチームは、我々関東Bを含めフレンチプレスでの抽出、シナモンロースト ~ ミディアムロースト程度かと思います。あくまでも相対的な見方ですが関東Bはバランスの良いニュートラルな感じだったのではないかと思います。競技の結果としての順位は付きましたが、個人的な意見では中部チーム、九州チームはもっと評価されても良いのではないかと思いました。少なくとも私はそう思いましたよ。素晴らしかったと思います。

スペシャルティコーヒーは年々進化していきます。生豆の栽培や精製技術の向上に伴い、焙煎や抽出も併せて向上させて行く必要があります。注目を浴びている新しいナチュラル精製やパカマラやロングペリーなどの品種、これからスペシャルティコーヒーは益々個性溢れる世界に突入してきます。

そういったコーヒーのロースト研究の場、情報交換の場として、ローストマスターズチャンピオンシップは益々盛り上がって行く事でしょう。

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Tomomichi Morifuji

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