半熱風式焙煎機から熱風式へ改造テスト

2014年9月26日に東京ビックサイトで行われるSCAJ (Specialty Coffee Association of Japan) 主催のRMC 2014 (ローストマスターズチャンピオンシップ2014)に関東Bチームの一員として参加します。現在はRMC本番に向けてチームとしての最終調整段階です。

我々関東Bチームは、Woodberry Coffeeさんの所有する半熱風を改造した焙煎機を使い本番に挑みます。マニアックな改造に私の男心はくすぐられました。

※参考 焙煎機 直火・半熱風・熱風の違い 

一般的に熱風式焙煎機は焦げ味が付きずらくクリアーな味わいが出せると云われています。MORIFUJI COFFEEでは現在、半熱風式焙煎機を使っていますが、改造することで原理的には熱風式に近いものにすることもできます。

「熱風式に改造したらどんな味になるのだろうか」その興味が沸々と沸き収まりがつかなくなってきました。半熱風式は、豆を攪拌する回転ドラムの直下にバーナーがあり、バーナーの炎でドラムを加熱しながら、同時に熱風をドラム内部に送り込みます。熱風式はドラムにバーナーの炎が当らないようなっていて、熱風のみをドラム内部に送り込みます。

半熱風式焙煎機のドラムとバーナーの間に鉄板を挟み、炎がドラムに直接当たらないようにして、熱風のみをドラムに送り込む構造にすれば原理的には熱風式になります。

改造の前提として、あくまでもテストであって直ぐに元通りに戻すことができること。焙煎機を傷つけないこと。を条件と考えました。

先ず、型紙としてボール紙を用意し、現物合わせで、ああでもないこうでもないしながら合理的な改造方法を探りました。結果、意外と単純な方法でドラムとバーナーの炎を完全に隔離できることが分かり、かつ熱風をドラム内部へ誘導する方法が見つかりました。

これでやってみようということになり、ホームセンターに向かいました。改造に使う素材板はバーナーの高温の炎に耐えられる物ということで、手で何とか加工できる程度の厚みのステンレス板を調達しました。

型紙に併せて切ったり曲げたりでそれらしい形にはなりました。最後に現物合わせで微調整しながら取り付け。我ながら短時間で完璧な作りだと自己満足(笑)

早速テスト。まずはバーナーの炎に耐えられるのか?金属の熱膨張による変形、疲労や破損が起こらないかの確認。バーナーの火力を恐る恐る上昇させていきます。新しいステンレスが焼ける臭いがし始め、色が赤に変わってきました。大丈夫だろうか心配になりましたが、さすがはステンレス。それ以上の変化は起こりません。

ドラム温度を実用範囲の120%ぐらいまで上げても問題は出なかったので燃焼テストはクリアとしました。それでは実際に豆を入れてテスト焙煎してみます。こういったテストの為にハンドピックで省いた不良豆を貯めてあるのでそれを使います。

バーナーの炎とドラムの間に鉄板を入れた事により熱効率は自ずと下がります。テストではどの程度の火力UPが必要になるのかを中心に検証しました。結果、予想以上に火力を上げないといけません。半熱風の時に比べて約1.5倍程度の火力は必要です。3回テストをしたところで、改造前のプロファイル(温度変化)に近い火力コントロールを掴みました。

いよいよ本番の焙煎です。食べられるキレイな豆を使います。温度変化は想定通りに進み、豆も煎りムラが少なく見た目は綺麗です。意外と上手くできたのではないかと、ワクワクしながら焙煎豆をカッピング。まあまかも・・でもどことなく重く苦い感がある。豆を割ってみると、豆の芯がうっすらとだが残っている。水抜きが十分に出来ていない感じだ。

さて熱風式での水抜きはどのうようにすればいいのだろうか?という課題が残ったが、つづきは次回以降に・・

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Tomomichi Morifuji

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