安価な生豆によるコーヒーの味は値段相応なのか

テスト焙煎用に安価なコロンビア・スプレモの生豆を入手した。一般的な生豆市場価格の2/3以下の値段だった。何か問題があるのだろうとは思ったが実験気分で買ってみた。

ハンドピックしてみると虫食い豆やカビ豆が多い。コロンビアは比較的虫食い豆が多い方だが、それでもやはり多い。通常はハンドピックで丁寧に取り除いてしまえば問題無いのだが、このロットは乾燥豆も多く収穫してから何年も経っているのか生豆の保存状態に問題があったのか分からないが、豆の端から水気が抜けて白く乾燥しているものも目に付く。

そういった不良豆をハンドピックで取り除くと2/3くらいまで減ってしまった。取り除いた1/3は破棄するしかない。あまりに不良豆が多いので1kgの生豆をハンドピックするのに1時間以上かかってしまった。それでも焙煎してみて美味しい珈琲になれば全ては報われる。現状で一番美味しく仕上がるコロンビア・スプレモ用のローストプロファイルを持ち出してきて、それをベースに焙煎してみた。

釜出ししてみると色目も揃い見た目には問題がない。ハンドピックで相当はじいただけはある。いつも通りに豆を挽き円錐ドリッパーでハンドドリップ。さあお味の方は・・うぅ~ん。不味い。エグ味がする。焙煎が豆に合っていないのかと思い、別のローストプロファイルで再度チャレンジしてみるも・・さっきよりもっと不味い。ある意味、不味さがより際立ってしまった。

安く仕入れられた生豆だからといって、こんなものを安価で提供し人に飲んでもらう気には絶対になれない。今回はあくまでも自分の中でのテストに留めておきたい。

結論:品質の低い安価な珈琲生豆は値段相応どころかそれ以下の味。ハンドピックの手間も時間もかかるし破棄する割合が多く結局は割高になる。適正な焙煎から少しでも外れると不味さが際立つ。

安いからと言って安易な生豆には手を出さない。信頼できる業者から生豆は仕入れる。美味しいコーヒーは品質の良い生豆と適正な焙煎によってのみ生みだされる。生豆が悪ければ焙煎が良くてもダメ。生豆が良くても焙煎が悪ければダメ。

最後に一言。恐ろしいのは、焙煎豆の見た目では生豆の品質も焙煎の品質も分からない点だ。一般の消費者の方は珈琲豆を買う際は信頼できるお店から買いましょう。店によって差があると思います。

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Tomomichi Morifuji

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