埼玉県のとある金属加工工場を訪問。この工場は珈琲焙煎機の設計製造を行っている。訪問の目的は、私の焙煎機のドラムを交換してもらうためだ。今日は焙煎機の産みの親との初対面。車で工場に着くと男性2人が笑顔で迎い入れてくれた。何だかいい予感。工場に入って先ず目にしたのは、巨大な60kgの半熱風釜。そのスケールに圧倒される。熱源は炭火用となっているが、今回ガス用に改造するとのことだ。
手で掴んでいるのは60kg釜の巨大な冷却装置
60kg釜の傍らで作業をされていたSさん「これは機械だけど気持ちが通じて応えてくれるんですよね・・」と意味深な言葉。いきなり私の琴線に触れてきた。私も、物づくりの人間として、その言葉の意味は十分に理解できる。書けば長くなるので割愛するが、機械がまるで感情でも持っているかのように接してくるときがあるのだ。
Fさんが、交換するドラムを持ってきて見せてくれた。ドラムの中を覗き込む私。
画像左側:半熱風式ドラム
画像右側:直火式ドラム
半熱風式ドラムは胴の部分が鉄板で巻かれ底がパンチングメッシュ。直火式ドラムは胴の部分がパンチングメッシュで底が鉄板。
ドラムの中は、まるで複雑なパズルのようだ。豆を攪拌させるフィンがたくさんついている。ドラムの回転による縦方向の攪拌と、フィンによる左右方向の攪拌が合成され三次元的なうねりが生みだされ豆を満遍なく攪拌する。ドラムを外さない限りこのフィンの構造の全容を見ることはできない。
巨大な回転ジグと工場の隅に差し込む光
珈琲焙煎機の製作に人生を賭けた男たちの背中。
こちらの会社は珈琲焙煎機の製作を中心に50年以上続けてこられたそうです。以前はコーヒーミルも作っていたとか。今日は、Fさん Sさん と物づくりの人間にしか分からないマニアックな会話をブログには書ききれない程たくさんしました。充実した時間をありがとうございました。しばし私の焙煎機ともお別れです。ドラム交換よろしくお願いいたします。
photo by kako