今回の記事は現代ハンドドリップの第一人者である尾籠一誠氏と筆者とのコーヒー対談という内容にてお送りします。
今日のテーマ は『ブレンドはシングルオリジンを超えられないのか?』
さてさて、どんな内容が飛び出してくるのか楽しみです。
尾籠 一誠(オゴ)写真左 : 2013 JHDC チャンピオン。2014 JBrC チャンピオン。ISSEI OGOMORI 珈琲抽出技術研究所。
森藤 友通(トモ)写真右 : 筆者、 MORIFUJI COFFEE 代表兼ロースター
トモ: いつも二人の何気ない雑談のなかで、興味深い話とか、むちゃくちゃ盛り上がる話って出てきたりするじゃない。
トモ: 後から気づくと、あれ記事にしたら相当面白いんじゃないっかってことあるんだよね。また実際にやったら凄いんじゃないかってことも。で、今回こそは記事にしてみたいと思います。よろしくお願いします。
オゴ : よろしくお願いします。
トモ: さっそくだけど、ブレンドコーヒーってオゴさんの中ではどんなイメージがある?
オゴ : そうですねぇ… お店の名前を冠したブレンドはそのお店のイメージの味であったり、また誰にでもオススメしやすいコーヒーであったり、値段的にはお店のラインナップの中ではお買得感があったり。
トモ: 確かにそんなイメージがあるよね… 値段的にはシングルオリジンよりもブレンドを安く設定してるケースがほとんどだよね。
オゴ : ですね。
トモ: 普通に考えて値段が高い商品は低い商品に比べて価値が高いはずで、やっぱり味は値段なりって事になるのかな。単刀直入に言ってしまえばシングルオリジンの方が高級な味で、ブレンドはある意味そこそこの味ってことになるのかな。
オゴ : 求める味の価値観は人それぞれでしょうけど、シングルオリジンの方が先行的なイメージはあるかもですね。世の中的には、サードウェーブ = シングルオリジンみたいなところもあるし、店によってはシングルしか扱わないところもある。
トモ: 言ってしまえば、サードウェーブではブレンドってなんとなく邪道みたいなところもあるじゃない。もちろん全てのお店やブレンドがそうではないけど。
オゴ : そうですよね。シングルオリジンに対してブレンドは明確な特徴が弱くなるので美味しいと言うより、飲みやすさという安心感を買ってるような印象がありますね。
オゴ : そういった風潮がシングルを勝手に高品質で良いものとイメージ化させ、ブレンドがまるで値段や味でも格下の品質であるような・・。
オゴ : サードウェーブでは産地・農園などトレーサビリティーを全面に出してアピールをすること多いじゃないですか。
オゴ : でもそれって本来、普通に製造過程で行っている品質管理の一面をアピールしたに過ぎないわけで、農園がイメージ先行している感があるように思うんですよね。
トモ: そういうところあるよね。そこで思うのは、同じ産地・農園をうたっていても店によって全く違う風味だったりすること。実際のところ農園以外の部分が風味に影響を及ぼすところも大きいわけで・・それが焙煎であったり抽出であったり。
オゴ : 先入観なしで一杯のコーヒーに立ち返る必要があるように思うんですよね。
トモ: 確かに大事なことだよね。
トモ: 世の中のブレンドを作る目的には大きく二つあると思うんだ。一つは価格を抑えながら材料調達を安定させてそれなりの味を作る目的。もう一つはシングルオリジンでは表現できない味を創造する目的。
トモ: 前者の場合だと、目的がコストパフォーマンスなわけだからシングルオリジンに比べて格下扱いされてもしょうがないところもある。
トモ: では後者の場合はどう思う?
オゴ : シングルにも全然劣らない特徴ある味が作れれば非常に面白い存在ですし、単純に僕が飲みたいです(笑)
トモ: ブレンドにすることで、シングルでは表現できない新たな風味やバランスのコーヒーが生まれたりすると思う。今年 MORIFUJI COFFEEでバレンタイン限定ブレンドを作ったのだけど、それは素材として使ったシングルオリジンを超えたワンランク上のブレンドが出来上がったと思っているんだ。
トモ: 一緒にすごいブレンド作ってみる?
オゴ : 作りたいですね!シングルオリジンを軽く超えてくるようなやつ。
トモ: いっそのこと、価格を気にせず贅沢な素材を厳選して、ありえないようなブレンドをつくっちゃおうか。
オゴ : ブレンドに革命起こしたいですね。
トモ: ブレンドに革命。最高だね。次までに様々な素材取り寄せて焙煎しておくからブレンディングしてみようよ。
オゴ : いやぁ~これは楽しみになってきました。
『 ブレンドはシングルオリジンを超えられないのか? 』尾籠一誠 & 筆者対談 ② ヘ続く。
連載記事
『 ブレンドはシングルオリジンを超えられないのか? 』 尾籠一誠 & 筆者対談 ①
『 ブレンドはシングルオリジンを超えられないのか? 』 尾籠一誠 & 筆者対談 ②
『 ブレンドはシングルオリジンを超えられないのか? 』 尾籠一誠 & 筆者対談 ③
※お知らせ
今回の記事で生まれた『 BLACK FRUIT 』を MORIFUJI COFFEE通販にて限定発売することになりました。
http://morifuji-coffee.com/item/1343/