6月末に開催されたSCAJ主催 Roasted Coffee 参加型品質ワークショップの提出豆を作るのに、先月中ごろに何釜かテストローストをしました。テストローストの豆は販売できるものとも思えず、破棄するつもりで薄手のポリ袋に入れ約1ヶ月半室内に放置したままの状態でした。
テストローストの豆は、コンペティションロースティング(競技用焙煎)で、焙煎後ワークショップまでの一週間ほど風味が保たれれば十分といったピーキーな仕上げの割り切ったものでした。それを室内といえど真夏の暑い時期に密閉容器にもいれず約1ヶ月半自然放置した状態ではとても風味が持たないであろうと想像がつきました。
破棄する前に、これも検証の一つとして飲んでみようということになり普通にドリップしてみました。
「えっ 美味い! ぜんぜん大丈夫じゃん・・」
さすがに、ガスが抜けきっていて湯をかけても粉の膨らみはゼロ。豆を挽いた時のドライフレグランスやフレーバーも減少はしていますが、液体としてのスイートネス(甘さ)やクリーンさには衰えがありません。
むしろドライフレグランスやフレーバーが減少したせいか相対的にスイートネスが際立ってきているようにさえ感じられます。テロワール(産地特性)もしっかりと感じられます。
うぅ~ん・・自分の常識がまた崩れだしました。短時間で仕上げるコンペティションロースティングは日持ちしないとよく云われます。自分もそう思っていました。
しかし短時間焙煎のコンペティションロースティングだから日持ちしないのではなく、日持ちしない要因はもっと限定された特定の何かなのではないかと・・
短時間焙煎であってもその特定の要因をクリアーしていれば日持ちには影響がない・・もしくは影響が少ないのではないかと・・あくまでも推測の域ではありますが今回の検証の結果は意外なものでした。
ほんとにコーヒーは知れば知るほど無知な自分が露呈されてきます。
コーヒーの飲料としての歴史自体は長いですが、まだまだコーヒーは発展途上のものであり、これからさらにコーヒーは美味しく進化し続けることでしょう。コーヒー豆の品種、栽培方法、精製方法、輸送方法、保管方法、焙煎、抽出・・どれをとっても完成されたと云えるものは無いように思います。
コーヒーへの興味と話はほんと尽きないですね!