家庭用コーヒーミルの最上級モデルであり業務用としても使える、フジローヤルコーヒーミル みるっこDX R-220。その特徴や使い方を前回の記事ではレビューしました。「フジローヤルコーヒーミル みるっこDX R-220 レビュー ①」
今回はその続編として、みるっこDX R-220 エスプレッソ対応(カット臼刃)で実際にコーヒー豆をグラインドして、挽目によってのメッシュサイズと微粉(マイクロパウダー)量についてレビューします。
コーヒー豆を挽くという行為は、ある意味微粉との戦いです。微粉とはメッシュ(粒)になりきれずにパウダー状になってしまうもののことを指します。微粉はメッシュに比べて粒子が非常に細かくドリップの際にメッシュに比べて抽出が濃く早く進みます。場合によっては微粉だけが過抽出になる場合もあります。
この微粉をどう扱うのか・・長年コーヒー研究者たちを悩ませてきました。フルイを使って微粉を取り除いた上でドリップすることもあります。いづれにせよ微粉の発生が少ないコーヒーミルの方が、性能の良いコーヒーミルだとも言えます。
みるっこDX R-220 エスプレッソ対応(カット臼刃)の挽目によるメッシュサイズや微粉量を検証してみましょう。
みるっこの挽目ダイヤルですが10段階あり、その中間の目を合わせると18段階となります。しかしエスプレッソ対応(カット臼刃)は細かいメッシュを作る為のグラインダー刃なので、基本的に4番以下の細かい側の挽目を使います。5番以上の荒い側の挽目は非常に荒く雑になってしまうので実用的ではありません。
挽目ダイヤルで1~5番までを実際に挽いてみます。
まず、コーヒー豆を20g正確に計量します。使用するコーヒー豆はグァテマラ・アンティグア・ミディアムローストです。挽いた豆を茶漉しでしっかりと振るい、メッシュと微粉に分離させてそれぞれの重さを測ります。
写真中の上段の並びがメッシュ、下段の並びが微粉、左側から数えて挽目ダイヤル①~⑤番となっています。ダイヤル①が最も細かい極細でダイヤル⑤は荒目です。単純には、挽目が大きい程メッシュの量が多く微粉が少なくなっていきます。逆に云えば、挽目が小さい程メッシュの量が少なく微粉量も増えます。これはみるっこに限らずどのコーヒーミルにも共通の特徴でもあります。
みるっこDX R-220 エスプレッソ対応(カット臼刃)20gの豆を挽いた場合のメッシュと微粉の量。(茶漉しの目のサイズは40メッシュ)
挽目ダイヤル①番 メッシュ11.3g 微粉8.7g (43.5%)
挽目ダイヤル②番 メッシュ15.1g 微粉4.9g (24.5%)
挽目ダイヤル③番 メッシュ16.8g 微粉3.2g (16.0%)
挽目ダイヤル④番 メッシュ17.8g 微粉2.2g (11.0%)
挽目ダイヤル⑤番 メッシュ18.1g 微粉1.9g ( 9.5%)
比較参考として、SCAA(米国スペシャルティコーヒー協会)のカッピングでも使用されている「カーティスコーヒーグラインダー GSG」にて、同じメッシュサイズを作りメッシュと微粉の量を計測したところ、①番、②番といった極細挽き~細挽きに於いて、やや微粉のウェートが多いものの③番以降は、ほぼ同じという結果でした。
それでは、各挽目によるメッシュの状態を見てみましょう。
挽目ダイヤル①番のメッシュ
かなりの極細挽きでグラニュー糖より少し細かい。メッシュが揃っている。但し微粉が多目だ。
挽目ダイヤル②番のメッシュ
細挽きでグラニュー糖と同等からやや大きい程度。メッシュは比較的揃っている。
挽目ダイヤル③番のメッシュ
中挽きでグラニュー糖より大きい程度。メッシュはややバラつきが出始める。
挽目ダイヤル④番のメッシュ
荒挽き。メッシュはややバラつきが目立つ。実用範囲はここまでかも・・
挽目ダイヤル⑤番のメッシュ
極荒挽き。メッシュはバラついている。かなり挽きが荒く実用範囲外かもしれない。
結論として、①番のメッシュはエスプレッソなど極細を必要とする場面に適している。②番③番はハンドドリップやフレンチプレスにも向いていると思います。微粉を取るかは好み次第で、競技では取るかもしれません。④番はハンドドリップでも荒挽きを好む場合。⑤番以降は実用範囲外とします。
味としては、カット刃らしく風味の輪郭(酸味・苦味・個性)などがはっきりと出ていてスペシャルティコーヒーに向いているコーヒーミルの一つであると思います。
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