堀口珈琲研究所 カッピングセミナー 7月

堀口珈琲研究所 カッピングセミナー

堀口珈琲研究所のカッピングセミナー2014年7月度に参加して来ました。堀口珈琲研究所は月ごとにテーマを変えながらカッピングの機会を提供して下さるので今年に関しては毎月参加しています。

今月のテーマーは「コスタリカ」と「エチオピア」

先ずコスタリカに関しては、じっくりと検証したことが無かったので、私にとってコスタリカを理解する良い機会となりました。カッピングした豆は、コスタリカのCOE(cup of excellence)の2位, 8位, 10位, 13位, 15位, 23位の豆を6種類。COE基準で85点以上。SCAA基準で80点以上のもの。

コスタリカは中米に位置しパナマとニカラグアに挟まれたエリア。タラス地方で上質な豆を生産される。主たる品種はブルボン種からの変異種であるカツーラ種、標高が下がるとカツアイ種。精製はウォッシュドがメイン。またコスタリカは環境保全の意識が高く、生豆の精製時の排水を川などに流すのではなく、排水槽で乾燥させて畑の肥料にするとのこと。また小農家が採取した生豆を大規模な施設をもつステーションに持ち寄り精製することが多いとのこと。

コスタリカのコーヒーの味の特徴を一言でいうと「ハニーレモン」。ある意味、中米らしからぬ酸味の強さがあり、それでいて甘味がある。どちらかというとケニアといったアフリカっぽい味の傾向だが、ケニア程の華やかさまでは無くもうすこし落ち着いた雰囲気。

カッピングをしていて印象的だったのは、ドライのフレグランスが強く、太陽の光を燦々と浴びたフルーツのような快活さ。フレグランス・アロマでは、ピーチのような甘さ。レモン、オレンジ、グレープフルーツのような明るい酸。フローラルを感じたカップもありました。それでいてハチミツのような甘さがある。コスタリカって良いんじゃないの・・

しいて欲を言えば、フレーバーやアフターテイストに、あともう少し複雑さとか、奥行き感とかがあれば、最高なのではないかなといった印象を受けました。コスタリカが今ひとつメジャーになれないのは、そういったあと一歩の押しに欠けるからなのかもしれません。まあ欲を言えばの話ですよ・・自分としては想像以上にコスタリカは良いと感じました。

エチオピアに関しては、スペシャリティコーヒーの定番であり安定打であり自分が好きな豆故に、自分の好みでささっと評価してしまった感がありましたが(汗)参加者全体の評価とも概ね一致した点数をつけていました。

エチオピアは6カップ。そのうちG3グレードが一つ、ナチュラル精製が一つ。それ以外はウォッシュトのG1グレードでした。G1とG3のグレードによる味覚の違いは明らかですね。G3はエチオピらしさが明らかに弱くディフェクトやストローなんかも感じます。

自分としてはナチュラルの評価が難しかったですね。今回のナチュラルは堀口氏曰く90点を狙える豆とのことだったのですが、ウォッシュトと比べてナチュラルはカップが暗く感じてしまう反面、ドライフルーツとかボルドーワインのような濃厚なフレーバーやボディー感があり・・どう評価して良いのか分からず、案外低めの評価をしてしまいました。

SCAAでもナチュラルの評価はウォッシュトとは別の基準が必要?と思っているらしく・・ナチュラル専用の評価基準を策定中とのことでした。

COEでもナチュラル精製のものが上位に入ることが多くなってきているようです。精製法として最も原始的なナチュラルは様々な研究を経て進化し、これから注目の的になってきそうです。今後が楽しみですね。

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Tomomichi Morifuji

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