今回のアウトドアコーヒーは静岡県の伊豆半島最南端の石廊崎よりお届け。石廊崎は高さ50~100mの断崖絶壁であり黒潮が激しく打ちつける。大海原を一望する石廊埼灯台は、明治4年にイギリス人ブラントンが設計したもの。太平洋に突き出たこの岬より西は駿河湾、東は相模灘である。
「気持ちのいい場所に行くと美味しい珈琲が飲みたくなる。」そんな一杯を味わうために各地を旅し、そこで見つけたナイスなロケーションにてアウトドアコーヒーを淹れる。もちろん珈琲豆は私が自家焙煎したMORIFUJI COFFEEのスペシャルティコーヒー豆を持ち込む。題して「TRIP DRIP」
石廊崎に私が以前訪れたのは、もう25年以上前。その当時は歩道の脇に出店が並び活気溢れる印象があったが、今は出店は扉を閉ざしたままで、もう何年も前に店を閉じたような印象だ。
石廊崎下の駐車場に車を留めて約15分程度歩いていくと最南端の展望台に辿り着く。駐車場の周りには僅かながら店が開いていて、そこで軽食を取りつつ店の女将さんと雑談をした。
海水浴離れで以前のように若者が派手な水着を着て海に遊びに来ることも少なくなったこと。漁業の町として地域の若者離れを心配していること。ここで捕れる豊かな海産物の話。ある海女さんは80歳台であるにも関わらず3日間で一年分の収入を稼ぐなど・・現地の生の声を色々と聞かせていただいた。
この日は8月お盆明けとはいえ、強い日差しはまだまだ続いている。道端に咲くハイビスカスはこの場所の気候が南国並であることを物語っている。
石廊崎先端の展望台に行くには、細い歩道を歩いて行く。途中にある石室神社(いろうじんじゃ)
歩道脇の断崖に人がやっと一人立っていられそうなぐらい狭いスペースだが絶景のポイントを発見。そこでアウトドアコーヒーをすることに。
下は断崖に打ち寄せる荒々しい黒潮の渦が・・
崖から足を滑らせないように手を伸ばしながらジェットボイルからドリップケトルに湯を移す。(よい子は真似しないように)
今回のスペシャルティコーヒー豆は「グァテマラ・アンティグア・ミディアムロースト」スペシャルティコーヒーというものを一躍有名にした立役者のような豆だ。
カップにコーヒーを注ぎ、石廊崎最先端の展望台へ移動。乾杯の図。今回のアウトドアコーヒーはすこぶる美味しかった。程よい口当たりでありながら厚みのあるフレーバー、ピーチやオレンジを感じる。思わず美味いと声が出た。これぞスペシャルティコーヒーの王道。
石室神社には皆の願いが沢山集まっていた。良いコーヒーを皆に届けられますように・・私の願い。