今回のトリップドリップは茨城県ひたちなか市のある「国営ひたち海浜公園」のネモフィラの丘よりお届け。4月下旬から5月下旬にかけて「みはらしの丘」が一面ブルーに染まり「ネモフィラの丘」となる。青い空、青い海、そして青い丘。この3つの青がひとつにとけあいながら繰り出す世界は一見の価値あり。
「気持ちのいい場所に行くと美味しい珈琲が飲みたくなる。」そんな一杯を味わうために各地を旅し、そこで見つけたナイスなロケーションにてアウトドアコーヒーを淹れる。もちろん珈琲豆は私が自家焙煎したMORIFUJI COFFEEのスペシャルティコーヒー豆を持ち込む。題して「TRIP DRIP」
一昨年訪れた時は薄曇だった。しかしこの日は晴天に恵まれた。二年越しに待った青い空と青い丘。これが揃ってネモフィラの丘の美しさが最大限発揮されるというもの。ネモフィラの見頃とあってゴールデンウィーク後というのに開園時間から見物客がたくさん訪れていた。それでも広大な敷地に咲くネモフィラ畑の大きさからすれば、広角レンズを使って撮影すれば、人の大きさは点のようなものだ。
あたりを散策しネモフィラの丘を堪能したあと、アウトドアコーヒーの準備開始。ネモフィラの丘の脇にかわいいタンポポが生えている空き地を発見。
今日のスペシャルティコーヒー豆は「Colombia Villa Fatima Typica City Roast」コロンビアのティピカ種。ティピカ種はスペシャルティコーヒーに共通するアラビカ豆の原種と言われており珍重されている。マイルドな口当たりでクリーンかつほのかな酸が実に品が良い。コロンビアのコーヒー豆は中南米の豆にある干草のようなグラス感が出がちだが、このコーヒーはクリーンだと思う。
グラス感が目立ってしまう原因は2つあるのではないかと考えている。生豆自体の品質や鮮度が悪いと生豆のもつ酸質の絶対量が少なく、焙煎時に酸味や甘味やフレーバーの醸成が不足し、繊維質の風味をカバーできずにそれが目立ってしまう。もう一つは、焙煎過程に問題があり煎りムラや豆の中まで完全に火が通りきっていない未熟な味がでてしまう。
スペシャリティコーヒーのニュークロップ生豆をしっかりと火を通しフレーバーを十分醸成させることができれば、干草のようなグラス感はかなり抑えられると思う。コロンビアのコーヒーはスタンダードだが生豆と焙煎の腕の差がモロに出てしまう。
上島珈琲のあざみ野ガーデンズ店で2013 コロンビア カップオブエクセレンス 1位のコロンビアを飲んだが、実にクリーンでコロンビアとは思えない程のフレーバーに包まれていた。正直こんなグレイトなコロンビアを焙煎してみたいと思った。
さて話題を戻し、ハンドドリップが終わると、ネモフィラの中へカップを持って入っていった。
ネモフィラのブルーは、空と大地をつなぐ自由のブルー。そんな気がした。
Photo by Tomomichi Morifuji & kako.