焙煎機のドラムを直火式から半熱風式へ交換

最近、焙煎機のドラムを直火式から半熱風式に交換しました。ミディアムロースト ~ シティーローストぐらいのロースト度で焙煎することも多く、そのあたりのロースト度で豆の持つキャラクターをよりクリーンに表現したいと思えば、半熱風かなぁ~と内心思い続けていたところもあり、思い切って直火式から半熱風式へドラムに交換に至りました。

半熱風式ドラム 直火式ドラム

画像左側:半熱風式ドラム
画像右側:直火式ドラム

直火式は構造上、回転ドラムのパンチングメッシュから珈琲豆のチャフ(薄皮)が剥れ落ちてバーナーの炎に触れて燃えます。排気のコントロールで大部分のチャフを燃やさずに飛ばすことは出来ますが、少なからず残ったチャフが燃えてその風味が豆に付きます。これが直火式ならではの味や個性の一要因になるわけです。直火式を売りにしている珈琲専門店はたくさんあります。

一方、半熱風式は構造上チャフがバーナーの炎の上に落ちることはなく排気によって排出されます。燃えたチャフの風味は付きません。半熱風式はスッキリした味、直火式はパンチのある味、と云われる所以かも知れません。

焙煎機のドラム交換はある意味冒険です。ドラムの形状が違えば、火力や排気などの条件も違える必要があり、今まで培ったローストプロファイル(焙煎の設定データ)はそのままでは使えません。ローストプロファイルも直火用から半熱風用に全て修正を加える必要があります。それは焙煎人にとってリスクを伴うチャレンジであり、プロファイルの修正にどのくらいの期間がかかるのか、実際やってみないと読めないところがあります。その上ドラム交換は費用も手間もかかる。簡単に思い切れるものではありません。

しかし一方、同じ焙煎機で直火式と半熱風式を実際に使い比べられるというのは、焙煎人にとって非常に価値のある体験だと思いますし、またイメージする理想の焙煎に近づくための試行錯誤であれば、苦はいつしか喜びに変わります。

実際に半熱風で数釜テスト焙煎してみました。最初のテスト釜は、直火との違いを見る為に、あえて直火のローストプロファイルそのままで焙煎してみました。結果、やはり違いますね。気づいた点を並べてみると、まずは中点温度(最低温度)が下がる。同じ予熱温度、投入温度であるにもかかわらず、中点温度が直火に比べ半熱風は10度程低くなる。また同じ火力でも半熱風の方が温度が上がりづらい。すなわち、直火に対して半熱風は予熱と火力を高める必要があるということになる。

その他、ダンパー操作に対する豆温度の反応が早い。ファーストクラック(1ハゼ)到達温度が低い。テストスプーンの穴から洩れる釜の熱気が少ない。あくまでも私の焙煎機での話ですので参考程度に。

  • 珈琲
  • 具
  • 焙煎
  • 研究
Tomomichi Morifuji

関連記事